「点数に下駄を履かせるって、どういう意味?」
「下駄を履かせてもらった、という言い方は良い意味なの?」
「水増しやかさ上げとは何が違うの?」
そんなふうに気になったことはありませんか?
「下駄を履かせる」は、日常会話ではあまり頻繁に使わないかもしれませんが、ニュースや仕事の話、試験や評価の話などで出てくることがあります。
ただ、意味を知らないまま聞くと、
「本当に下駄を履く話?」
と少し戸惑ってしまいますよね。
結論からいうと、「下駄を履かせる」とは、実際より高く・多く・よく見せることを表す言葉です。
ただし、使い方によっては「ごまかしている」「実力以上に見せている」という少し悪い印象になることもあります。
この記事では、「下駄を履かせる」の意味や使い方を、例文つきでやさしく解説していきます。
「下駄を履かせる」の意味をまずやさしく確認

まずは、「下駄を履かせる」の基本的な意味から見ていきましょう。
「下駄を履かせる」は、実際の数字や評価よりも、高く・多く・よく見せることを意味します。
たとえば、テストの点数に少し点を足したり、売上を実際より多く見せたり、評価を本来より高めにしたりする場面で使われます。
読み方は「げたをはかせる」
「下駄を履かせる」は、
げたをはかせる
と読みます。
「下駄」は、昔からある日本の履き物のことです。
下駄を履くと、素足のときよりも背が高く見えますよね。
このイメージから、実際よりも高く見せることを「下駄を履かせる」と言うようになりました。
意味は実際より高く・多く・よく見せること
「下駄を履かせる」の意味を簡単にいうと、次のようになります。
| 項目内容 | |
| 読み方 | げたをはかせる |
| 意味 | 実際より高く・多く・よく見せること |
| 使う場面 | 点数、金額、売上、評価、実績など |
| ニュアンス | やや否定的に使われることが多い |
たとえば、
- 点数に下駄を履かせる
- 売上に下駄を履かせる
- 評価に下駄を履かせる
- 金額に下駄を履かせる
というように使います。
どれも、「本来の数字や評価に何かを足して、実際よりよく見せる」というイメージです。
点数・金額・評価・実績などに使える
「下駄を履かせる」は、いろいろな場面で使える表現です。
特に使われやすいのは、次のようなものです。
- テストの点数
- 成績
- 売上
- 金額
- 見積もり
- 評価
- 実績
- 数量
数字や評価など、「高い・低い」「多い・少ない」で表せるものに使われやすいです。
たとえば、テストの点数が本当は60点なのに、何らかの理由で70点として扱う場合、「点数に下駄を履かせる」と表現できます。
基本的には少し否定的なニュアンスがある
「下駄を履かせる」は、便利な表現ですが、基本的には少し注意が必要です。
なぜなら、実際よりよく見せるという意味があるため、「不正」「ごまかし」「実力以上に見せる」といった印象を与えることがあるからです。
たとえば、
「あの資料、数字に下駄を履かせているよね」
と言うと、
「本当の数字よりよく見せている」
「少し盛っている」
「正確ではないかもしれない」
というような、やや批判的な意味になります。
そのため、誰かの評価や成果について使うときは、言い方に気をつけた方が安心です。
「下駄を履かせる」は悪い意味?失礼になる?

「下駄を履かせる」は、必ずしもすべて悪い意味というわけではありません。
ただし、使う相手や場面によっては、失礼に聞こえることがあります。
ここは少し大切なポイントなので、やさしく整理しておきましょう。
不正やごまかしに聞こえることがある
「下駄を履かせる」は、実際より高く見せるという意味です。
そのため、文脈によっては、
- 不正に点数を上げた
- 売上を実際より多く見せた
- 評価を甘くした
- 実力以上によく見せた
という印象になることがあります。
たとえば、
「あの人は下駄を履かせてもらって合格したらしい」
と言うと、少し意地悪な印象になりやすいです。
「本当の実力ではなかったのでは?」というニュアンスが含まれてしまうからです。
必ずしも悪意があるとは限らない
一方で、「下駄を履かせる」が必ず悪い意味になるとは限りません。
たとえば、試験や評価で、全体の平均点があまりにも低かったために、全員に加点するような場合があります。
このような場合も、「点数に下駄を履かせる」と表現されることがあります。
つまり、「下駄を履かせる」は、文脈によって、
- 不正に高く見せる
- 配慮して少し上げる
- 全体のバランスを取るために調整する
といった意味合いになります。
言葉だけで判断するのではなく、前後の内容を見ることが大切です。
自分に使うと謙遜になることもある
「下駄を履かせる」は、自分に対して使うと、謙遜のように聞こえることもあります。
たとえば、
「先生に少し下駄を履かせてもらって、なんとか合格できました」
という言い方です。
この場合は、
「自分の実力だけではなく、少し助けてもらった」
「運よく評価してもらえた」
という、控えめな表現になります。
自分を少し低く見せる言い方なので、強い批判の意味にはなりにくいです。
相手に使うと失礼に聞こえる場合がある
注意したいのは、相手や第三者に対して使う場合です。
たとえば、
「あなたは下駄を履かせてもらったんですよね」
と言われたら、あまり気持ちのよい言葉ではありませんよね。
「実力ではない」
「本当の評価ではない」
「特別扱いされた」
と言われているように感じる人もいます。
そのため、人に向かって直接使うのは避けた方が無難です。
特に、仕事や学校、面接、評価の場面では、やわらかい表現に言い換えると安心です。
「下駄を履かせる」の語源は下駄で背が高く見えること

「下駄を履かせる」の語源は、とてもイメージしやすいです。
下駄を履くと、素足や普通の靴のときよりも、少し背が高く見えますよね。
そこから、本来の高さに何かを足して、高く見せるという意味になりました。
下駄を履くと実際より背が高く見える
下駄には、足の下に台のような部分があります。
そのため、下駄を履くと、実際の身長よりも少し背が高く見えます。
この「高く見える」という状態が、「下駄を履かせる」という表現のもとになっています。
つまり、もともとは身体の高さの話ですが、そこから意味が広がって、
- 点数を高く見せる
- 評価を高く見せる
- 金額を多く見せる
- 実績をよく見せる
という意味で使われるようになったのです。
本来の状態に何かを足すイメージ
「下駄を履かせる」は、本来の状態に何かを足すイメージです。
たとえば、
本来の点数が70点だったものを、75点にする。
本来の売上が100万円だったものを、資料上では120万円に見せる。
本来の評価より、少し高めに評価する。
このように、もとの数字や評価に何かを足して、実際よりよく見せる感じです。
数字や評価を上げて見せる意味につながった
下駄で背が高く見えるように、数字や評価も「高く見せる」ことがあります。
そのため、「下駄を履かせる」は、点数や評価、実績などを本来より高く見せる表現として使われるようになりました。
言葉の由来を知っておくと、意味も覚えやすいですね。
「下駄を履かせる」の使い方と場面別の例文

ここからは、「下駄を履かせる」の使い方を例文で見ていきましょう。
「意味はわかったけれど、実際にどう使うの?」という方は、例文で確認するとイメージしやすくなります。
点数や成績に使う例文
テストや試験、成績の場面では、「下駄を履かせる」がよく使われます。
例文
- 今回のテストは難しすぎたので、全員の点数に少し下駄を履かせたらしい。
- 平均点が低かったため、先生が点数に下駄を履かせてくれた。
- 実力よりも少し下駄を履かせてもらって、なんとか合格できた。
- あの採点は、かなり下駄を履かせているように感じる。
点数の場合は、「加点する」「甘く採点する」という意味合いで使われることが多いです。
ただし、「下駄を履かせて合格した」という言い方は、相手を悪く言っているように聞こえる場合があります。
人のことを話すときは注意しましょう。
金額や価格に使う例文
金額や価格の話でも、「下駄を履かせる」は使われます。
例文
- 見積もりには、念のため少し下駄を履かせてある。
- 実際の費用よりも、予算には少し下駄を履かせて計上した。
- この金額は、手数料分を下駄として履かせた価格です。
- 最初から下駄を履かせた金額を提示すると、相手に不信感を持たれるかもしれない。
金額の場合は、「余裕を持たせる」「上乗せする」という意味に近いことがあります。
ただし、説明がないまま金額に下駄を履かせると、「不透明」「ごまかしている」と思われることもあります。
仕事では、なぜその金額になっているのかを説明できるようにしておくと安心です。
数量や売上に使う例文
売上や数量、実績の話でも使われます。
例文
- 売上目標を達成したように見せるために、数字に下駄を履かせた。
- この資料は、実績に少し下駄を履かせているように見える。
- 来場者数に下駄を履かせて発表するのはよくない。
- 数字に下駄を履かせると、あとで信頼を失うことがある。
売上や実績に使う場合は、かなり否定的な印象になりやすいです。
「実際よりよく見せている」「数字を盛っている」という意味になるため、使うときは注意しましょう。
評価や実績に使う例文
人の評価や実績についても、「下駄を履かせる」は使えます。
例文
- 彼の評価は、少し下駄を履かせられているように感じる。
- 新人だからという理由で、評価に下駄を履かせてもらった。
- 実績に下駄を履かせて見せるより、正直に伝えた方がよい。
- 今回の表彰は、努力分も含めて少し下駄を履かせた評価なのかもしれない。
評価に使う場合も、言い方によっては相手を傷つけることがあります。
特に誰かの成果に対して使うと、「本当はそこまで評価されるほどではない」という意味に受け取られやすいです。
日常会話で使う例文
日常会話では、少しくだけた雰囲気で使うこともあります。
例文
- 写真アプリでかなり下駄を履かせているから、実物とはちょっと違うかも。
- プロフィールの内容、少し下駄を履かせて書いてしまった。
- 友達が褒めてくれたけど、たぶんかなり下駄を履かせてくれている。
- 自己紹介では、つい自分に下駄を履かせたくなる。
このように、自分のことを少し冗談っぽく言う場合は、やわらかい印象になります。
ただし、他人の写真やプロフィールに対して使うと失礼になることもあるので、気をつけたいですね。
「下駄を履かせる」のOK例文・NG例文

「下駄を履かせる」は、使い方によって印象が変わりやすい言葉です。
ここでは、自然に使いやすい例文と、少し注意したい例文を比べてみましょう。
自然に使える例文
自分のことを控えめに言ったり、全体的な調整を説明したりする場合は、比較的自然に使えます。
自然な例文
- 今回は少し下駄を履かせてもらって、合格できたようなものです。
- テストが難しかったので、全員に少し下駄を履かせたそうです。
- 見積もりには、予備費として少し下駄を履かせています。
- 自分の実績に下駄を履かせず、正直に伝えることが大切です。
自分に対して使う場合は、謙遜や反省の意味になりやすいです。
失礼に聞こえやすい例文
一方で、相手の評価や成果について使うと、失礼に聞こえやすくなります。
注意したい例文
- あの人は下駄を履かせてもらって合格したんでしょ。
- あなたの評価は、かなり下駄を履かせられていますよね。
- その実績、下駄を履かせているだけじゃないですか。
- どうせ数字に下駄を履かせているんですよね。
このような言い方は、相手を責めているように聞こえます。
たとえ悪気がなくても、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
ビジネスで避けたい例文
ビジネスでは、特に言葉選びが大切です。
「下駄を履かせる」はやや強い表現なので、メールや会議でそのまま使うと角が立つことがあります。
避けたい表現
- この売上は下駄を履かせていますよね。
- 予算に下駄を履かせすぎではありませんか。
- 評価に下駄を履かせた理由を教えてください。
- この資料は実績に下駄を履かせているように見えます。
どれも意味は伝わりますが、相手を疑っているような印象になりやすいです。
やわらかい言い換え例文
ビジネスでは、次のように言い換えるとやわらかくなります。
| 強く聞こえる表現やわらかい言い換え | |
| 数字に下駄を履かせていますよね | 数値が実態より高めに見える可能性があります |
| 売上に下駄を履かせた資料です | 売上見込みをやや高めに設定した資料です |
| 評価に下駄を履かせたのでは? | 評価基準をもう一度確認した方がよさそうです |
| 見積もりに下駄を履かせすぎです | 見積もりに余裕を持たせているように見えます |
やわらかく伝えたいときは、「下駄を履かせる」よりも、
- 高めに設定する
- 余裕を持たせる
- 補正する
- 調整する
- 上乗せする
といった言葉を使うと安心です。
「下駄を履かせてもらう」の意味と使い方

「下駄を履かせる」と似た表現に、「下駄を履かせてもらう」があります。
これは、自分が有利になるように点数や評価を上げてもらう、という意味で使われます。
有利になるように点数や評価を上げてもらう意味
「下駄を履かせてもらう」は、自分に対して何かを上乗せしてもらうイメージです。
例文
- 先生に少し下駄を履かせてもらって、合格できました。
- 今回の評価は、経験不足の分を下駄を履かせてもらったのかもしれません。
- 初めての発表だったので、少し下駄を履かせてもらった気がします。
この場合は、「助けてもらった」「配慮してもらった」という意味合いになります。
謙遜として使われることもある
「下駄を履かせてもらう」は、自分の成果を控えめに言うときにも使われます。
たとえば、誰かに褒められたときに、
「いえいえ、かなり下駄を履かせてもらった結果です」
と言うと、
「自分だけの力ではありません」
「周りの助けがありました」
という謙遜になります。
日本語らしい、少し控えめな表現ですね。
えこひいきに聞こえる場合もある
ただし、「下駄を履かせてもらう」は、文脈によっては「えこひいきされた」と聞こえることもあります。
特に、第三者について言う場合は注意が必要です。
注意したい例文
- 彼女は下駄を履かせてもらって選ばれたんだと思う。
- あの人だけ評価に下駄を履かせてもらっているよね。
このように言うと、相手を悪く言っているように聞こえます。
自分に使うと謙遜になりやすいですが、他人に使うと批判的になりやすいと覚えておきましょう。
ビジネスで「下駄を履かせる」を使うときの注意点と言い換え

ビジネスの場面では、「下駄を履かせる」は少し慎重に使いたい言葉です。
会話の中で軽く使うことはありますが、メールや資料、会議では直接的すぎる場合があります。
相手を責める印象になりやすい
「下駄を履かせる」は、数値や評価を実際よりよく見せる意味があります。
そのため、仕事で使うと、
「数字をごまかしているのでは?」
「実績を盛っているのでは?」
「評価が正しくないのでは?」
というような、相手を疑う印象になりやすいです。
たとえば、
「この売上、下駄を履かせていますよね」
と言うと、かなり強い言い方になります。
相手によっては、責められていると感じてしまうかもしれません。
メールや会議では直接使わない方が無難
ビジネスメールや会議では、「下駄を履かせる」をそのまま使うよりも、別の表現に言い換えた方が無難です。
特に、上司や取引先に対して使う場合は注意しましょう。
「下駄を履かせる」という言葉は、少しくだけた印象もあり、さらに否定的な意味も含みやすいです。
そのため、公式な場面では、
- 数値を調整する
- 高めに見積もる
- 余裕を持たせる
- 補正する
- 上乗せする
などの言葉を使うと、落ち着いた印象になります。
「調整する」「補正する」と言い換える
やわらかく言いたいときは、「調整する」「補正する」が使いやすいです。
言い換え例
- 数字に下駄を履かせる
→ 数値を調整する- 点数に下駄を履かせる
→ 点数を補正する- 評価に下駄を履かせる
→ 評価基準を調整する
「調整する」「補正する」は、比較的中立的な表現です。
相手を責める印象をやわらげたいときにおすすめです。
「上乗せする」「高めに見積もる」と言い換える
金額や予算の話では、「上乗せする」「高めに見積もる」という言い方もできます。
言い換え例
- 見積もりに下駄を履かせる
→ 見積もりに余裕を持たせる- 予算に下駄を履かせる
→ 予算を高めに見積もる- 金額に下駄を履かせる
→ 必要分を上乗せする
このように言い換えると、ビジネスでも自然に使いやすくなります。
角が立ちにくい例文
ビジネスで使いやすい、やわらかい例文も見てみましょう。
例文
- 今回の数値は、やや高めに設定されているようです。
- 見積もりには、予備費として余裕を持たせています。
- 評価基準について、もう一度確認させていただけますか。
- 実績の見せ方について、少し調整が必要かもしれません。
- 売上見込みが実態より高く見える可能性があります。
このように伝えると、相手を責めずに確認しやすくなります。
「下駄を履かせる」と類語の違い
「下駄を履かせる」と似た言葉には、「水増し」「かさ上げ」「上乗せ」「盛る」「補正する」などがあります。
どれも似ていますが、少しずつニュアンスが違います。
「水増し」との違い
「水増し」は、実際よりも量や数を多く見せることです。
「下駄を履かせる」よりも、不正やごまかしの印象が強い言葉です。
例文
- 売上を水増しする。
- 請求金額を水増しする。
- 来場者数を水増しして発表する。
「水増し」は、特に数字をごまかすような場面で使われます。
そのため、かなり否定的な表現です。
「かさ上げ」との違い
「かさ上げ」は、全体の量や水準を高くすることです。
物理的に高さを上げる場合にも使えますし、金額や基準を高くする場合にも使えます。
例文
- 土地をかさ上げする。
- 支援金をかさ上げする。
- 基準額をかさ上げする。
「かさ上げ」は、「下駄を履かせる」よりも中立的に使えることがあります。
不正というより、「全体的に水準を上げる」というイメージです。
「上乗せ」との違い
「上乗せ」は、もとの金額や条件に、さらに追加することです。
例文
- 基本料金に手数料を上乗せする。
- 給与に手当を上乗せする。
- 予算に予備費を上乗せする。
「上乗せ」は、追加することがはっきりしている表現です。
「下駄を履かせる」よりも、ビジネスで使いやすい言葉です。
「盛る」との違い
「盛る」は、日常会話でよく使われるくだけた表現です。
話を大げさにしたり、写真を実物よりよく見せたりする場面で使われます。
例文
- 話を盛る。
- 写真を盛る。
- プロフィールを盛る。
「盛る」はカジュアルな表現なので、友達同士の会話やSNSでは使いやすいです。
ただし、ビジネス文書ではあまり向きません。
「補正する」との違い
「補正する」は、数字や結果をより適切な状態に直すことです。
「下駄を履かせる」よりも中立的で、専門的な印象があります。
例文
- データを補正する。
- 点数を補正する。
- 誤差を補正する。
「補正する」は、ごまかすというより、正しく整えるという意味で使われます。
そのため、ビジネスや資料では使いやすい表現です。
類語の違いを表で確認
| 表現意味ニュアンス使いやすい場面 | |||
| 下駄を履かせる | 実際より高く・多く・よく見せる | やや否定的 | 点数、評価、実績 |
| 水増し | 実際より多く見せる | 否定的・不正の印象 | 売上、数量、請求 |
| かさ上げ | 全体の水準を高める | 中立的な場合もある | 金額、基準、支援 |
| 上乗せ | 基準に追加する | 比較的中立的 | 予算、料金、手当 |
| 盛る | 大げさに言う・よく見せる | カジュアル | 日常会話、SNS |
| 補正する | 適切になるよう調整する | 中立的 | データ、点数、数値 |
迷ったときは、ビジネスでは「調整する」「補正する」「上乗せする」を選ぶと安心です。
「下駄を履かせる」と似た慣用句の違い

「下駄」が入る慣用句には、ほかにもいくつかあります。
見た目は似ていますが、意味はまったく違うものもあるので、混同しないようにしましょう。
「下駄を預ける」は相手に任せること
「下駄を預ける」は、判断や処理を相手に任せるという意味です。
「下駄を履かせる」とは意味が違います。
例文
- 最終判断は部長に下駄を預けることにした。
- この件については、先方に下駄を預けるしかない。
「下駄を預ける」は、「相手に任せる」「相手の判断にゆだねる」という意味です。
数字を高く見せる意味はありません。
「下駄を履くまでわからない」は最後まで結果が読めないこと
「下駄を履くまでわからない」は、最後の最後まで結果がどうなるかわからない、という意味です。
例文
- 勝負は下駄を履くまでわからない。
- 選挙の結果は、下駄を履くまでわからない。
この表現は、「物事は終わってみるまでわからない」という意味で使われます。
「下駄を履かせる」とは、まったく違う意味ですね。
「下駄を履く」と「下駄を履かせる」は意味が違う
「下駄を履く」は、文字通り下駄を履くことです。
一方で、「下駄を履かせる」は、実際より高く見せるという意味の慣用表現です。
似ていますが、使い方は違います。
- 下駄を履く→ 実際に下駄を履く
- 下駄を履かせる→ 実際より高く・多く・よく見せる
この違いを覚えておくと、混乱しにくくなります。
「下駄を履かせる」を英語で言うと?

「下駄を履かせる」は、日本語らしい表現なので、そのまま直訳しても英語では伝わりにくいです。
英語では、文脈に合わせて訳すのが自然です。
点数や数値を高くする場合の英語表現
点数や数値を高くする場合は、次のような表現が使えます。
- boost the score
- bump up the score
- inflate the numbers
- pad the figures
たとえば、
「点数に下駄を履かせる」は、
bump up the score
や
boost the score
と表現できます。
ただし、「inflate the numbers」や「pad the figures」は、数字を実際より大きく見せるという少し悪いニュアンスがあります。
実績や評価を誇張する場合の英語表現
実績や評価を大げさに見せる場合は、次のような表現が使えます。
- exaggerate achievements
- make something look better than it really is
- give someone an advantage
- overstate performance
たとえば、
「実績に下駄を履かせる」は、
exaggerate achievements
や
overstate performance
と表現できます。
「実際よりよく見せる」という意味なら、
make it look better than it really is
もわかりやすい表現です。
直訳ではなく文脈に合わせて訳す
「下駄を履かせる」をそのまま英語にすると、「make someone wear geta」のようになってしまいます。
これでは、慣用句としての意味は伝わりません。
英語にするときは、
- 点数の話なのか
- 売上の話なのか
- 評価の話なのか
- 実績の話なのか
を考えて、自然な表現を選びましょう。
「下駄を履かせる」に関するよくある質問

最後に、「下駄を履かせる」についてよくある疑問をまとめます。
「下駄を履かせる」は悪口ですか?
必ずしも悪口ではありません。
ただし、相手や第三者に対して使うと、悪口のように聞こえることがあります。
特に、
「あの人は下駄を履かせてもらった」
という言い方は、「実力ではない」という印象になりやすいです。
人に対して使うときは注意しましょう。
「下駄を履かせてもらった」は失礼ですか?
自分に対して使う場合は、謙遜として自然に聞こえることがあります。
たとえば、
「少し下駄を履かせてもらって合格できました」
という言い方は、「助けてもらった」「評価してもらった」という控えめな表現になります。
ただし、他人に対して、
「あの人は下駄を履かせてもらった」
と言うと、失礼に聞こえやすいです。
「下駄を履かせる」は目上の人に使えますか?
目上の人に対して直接使うのは、あまりおすすめできません。
「評価を実際より高くしている」「数字を盛っている」という印象になることがあるからです。
目上の人や取引先には、
- 高めに設定されているようです
- 調整されているようです
- 補正されている可能性があります
- 余裕を持たせているようです
など、やわらかい表現に言い換えると安心です。
「水増し」と同じ意味ですか?
似ていますが、少し違います。
「下駄を履かせる」は、実際より高く・多く・よく見せること全般に使えます。
一方で、「水増し」は、数量や金額などを実際より多く見せる意味が強く、不正やごまかしの印象も強いです。
たとえば、
- 点数に下駄を履かせる
- 売上を水増しする
のように使い分けるとわかりやすいです。
ビジネスメールでは何と言い換えればいいですか?
ビジネスメールでは、「下駄を履かせる」をそのまま使わない方が無難です。
次のように言い換えると、やわらかく伝えられます。
- 数値を調整する
- 高めに設定する
- 余裕を持たせる
- 補正する
- 上乗せする
- 実態より高く見える可能性がある
たとえば、
「この数字は下駄を履かせていますか?」
ではなく、
「こちらの数値は、実態より高めに設定されている認識でよろしいでしょうか」
とすると、角が立ちにくくなります。
まとめ:「下駄を履かせる」は実際より高く見せる表現

「下駄を履かせる」とは、実際より高く・多く・よく見せることを意味する表現です。
下駄を履くと背が高く見えることから、点数や金額、評価、実績などを本来より高く見せる意味で使われるようになりました。
ただし、「下駄を履かせる」は少し否定的なニュアンスを含むことがあります。
特に、他人の評価や実績に対して使うと、
「実力ではない」
「ごまかしている」
「不正に高く見せている」
という印象を与えることもあります。
自分に対して使う場合は謙遜になることもありますが、相手に向かって使うと失礼に聞こえる場合があるので注意しましょう。
ビジネスでは、「調整する」「補正する」「高めに設定する」「上乗せする」などに言い換えると、やわらかく伝えられます。
意味そのものは難しくありませんが、少しデリケートな表現です。
使うときは、相手や場面に合わせて、やさしい言い方を選んでいきたいですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

